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2013年06月09日

冗長化

さて,PRIMERGY TX100 S3にESXi5.1を導入して起動するところまで行ったので,後は実運用に入る準備,というところで止まってましたが(笑)

といっても,今回もまだ実運用に入る前の準備なんですが・・・.
具体的には,増設して合計4ポートあるLANポートを適切に設定する,というところです.
もともとTX100 S3には標準でLANポートが2つ付いていますが,ある意図をもって4ポートに増設しています.
もっともちまきの利用環境だとあまり意味は無いんだけどね!(笑)
ほら,いろいろやってみたいし(笑)

今回考えているのは,管理系LANに1ポート,VM用LANに1ポート,VM用iSCSIに2ポートのマルチパス構成,というようなもの.
事の発端は,NAS(QNAP TS-569L)がLANポートを2つもっていることから,vmdk(VMの実体)のあるiSCSIターゲットまでのパスを冗長化してみたい,と思ったため(笑)
ただ,せっかくやるなら実際に運用していそうな状況を考えてやろうと思ったのでした.
イメージとしては,(1)VMの生死に関わるデータパスとなるiSCSIに関しては冗長化する,というのと,(2)管理系,VM用のネットワーク,iSCSIを分離する,というものです.
この(1)と(2)を同時に満たすために,NICを増設し,合計4ポートにしてから構築してみました.

まず,iSCSIの冗長化について.
現状のハードウェア構成としては,ESXiのLANをiSCSI専用に2ポート,NASのLANも2ポート,HUBは安物のGigabit Ether対応の物,という感じ.
HUBが1つなので,スイッチ用のLSIや各機器の電源が壊れればそれで終わりですが,それ以外は全て二重にできる構成です.
で,具体的にこれらハードウェアを利用するための技術について調べてみました.
世の中的には,ネットワークパスを複数使って冗長化や広帯域化する技術はいろいろあるようで,ボンディングとかチーミングとかいうみたい.
iSCSIでもこういった技術を使うことができるみたいだけど,意外に癖がありそう.
というのも,例えばWindowsだと,iSCIS Initiatorのチーミングがサポートされないとか(MPIOを使うみたい),ESXiでも4.xや5.xではチーミングじゃなくポートバインディングを使うというナレッジベースがあったりするから.
ここでは,ESXi5.1での環境構築なので,VMwareの言うとおり,ポートバインディングを使ってやってみようと思います.

手順としては,公式ドキュメントに記載があり(リンク先はvSphere5.1かつvSphere Clientでの手順があります),ちょっとわかりにくい記述ですが,一応手順通りにやればESXi5.1でポートバインディングの設定を行えます.

ただ,ちょっとわかりにくかったので,予備知識と,簡単な手順を記載しておきます.
ESXi4.1の記事ですが,概念のイメージと,ESXi4.1での設定手順がこちらにあったので,ちまきも参考にしました.
おおざっぱな流れは以下の通りです.
(1)iSCSIに使う専用vSwitchを追加する.
(2)iSCSI用vSwitchで使う物理NICは,iSCISで占有したいものを全て(ちまきは2つ)登録しておく.
※(1),(2)はvSwitch追加時に同時にできるはず.
(3)物理NICと同じ数だけ(ちまきは2つ)VMkernelポートを追加する.
(4)各VMkernelポートの「NICチーミング」設定から有効なアダプタをそれぞれ1つずつ,占有する(重複しないよう1つずつになる)ように割り当てる(なので,(2)と(3)の数は同じでなければならない).
(5)ストレージアダプタに登録されているiSCSI Software Adapterのプロパティにある「ネットワーク構成」設定から,(4)で設定したVMkernelポートを全て(ちまきは2つ)登録する.
※ポートバインディング自体はこれで完了.
(6)ストレージアダプタに登録されているiSCSI Software Adapterのプロパティにある「動的検出」に,NASのiSCSI Targetサーバのアドレスを1つ(例えば192.168.1.100:3260)登録する.
(7)これでリスキャンすると,各データストアにそれぞれ複数のパスが表示されるようになる.

こんな感じの手順です.
ESXiに2つのiSCSI用VMkernelポート(192.168.1.10/11),NASに2つのiSCSIポート(192.168.1.100/101)があれば,4つのパス(192.168.1.10→100,192.168.1.10→101,192.168.1.11→100,192.168.1.11→101)が利用されるようになるはず.
確認は,各データストアのプロパティなどからできます.

残りは,管理系とVM用のLANの分離です.
iSCSIの設定を行った後だと,最初からあるvSwitchとiSCSI用vSwitchがあるはずなので,ここにVM用のvSwitchを追加し,このvSwitchに専用の物理NIC,仮想マシンのポートグループを追加すればOKです.
後はVM側の「ネットワーク接続」設定で追加した仮想マシンのポートグループを指定すれば完了.
こっちはだいぶ簡単ですね.

そうそう,MTU設定ですが,NAS,vSwitch,iSCSIのVMkernelポートなど,全て9000に変更しています.
vSwitchの設定変更も忘れやすいですが,NAS側の設定も忘れがちなので,ご注意.

ちなみにIPアドレスの割り振りは以下のようにしています.
管理系には,ESXiがiSCSI Bootする時に割り当てているIPアドレスをそのまま.
iSCSI用のVMkernelには192.168.1.100/101.
本当はSAN側をVLANで分けるのがいいんでしょうが,HUBに機能が無いのと,NASがiSCSI Target以外のこともいろいろやっているので分けていません.
VM用は適当にDHCPで割り当てています.

そんなところで,環境ができあがった感じです.
次はいよいよVMのデプロイをしていきたい!

投稿者 chimaki : 08:48 | トラックバック

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