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2013年08月31日

abじゃなくてad

2011年度から今の事業所に異動になっていたちまきですが,10月からまた異動で,もとの研究所に戻ってくる事になりそうです.
2年半の間,国内外,公私を含め様々な経験をし,幾人もの部下と外注の指揮を執ってきましたが,ついに終了ということに.
ただまぁ,戻り先の物理的な場所は,都内ではなく横浜の方になりそうなので,また新しい環境,ということになりそうです.

まぁ,そんな状態ですが,環境構築の記録がまだ終わっていないので,今日も続きを(笑)
というか,前回でVMのデプロイも完了して,後は普通に運用するだけのはずが,まだまだいぢってる訳です(笑)

今回は,IEEE802.3adを利用した環境へと改造しました.
お約束ですが,IEEE802.3ab(1000BASE-T)ではなく,IEEE802.3ad(Link Aggregation)です.

元々の発端は,やっぱりQNAP TL-569Lです.
このNAS,LANポートを2つもっていて,IPアドレスを2つ設定することができ,またiSCSIターゲットとして動作させることができます.
ESXi側のiSCSIイニシエータにもiSCSI用のLANポートを2つポートバインディングして,iSCSIのデータパスとしては4系統検出できている状態なので,冗長性,帯域としては十分な状態(パス選択はESXi任せ)です.
なので,VMware環境としては変更する必要がないんですが,NAS側がOpenVPNサーバやSMBサーバも兼ねているためNASとスイッチの間の冗長性(と負荷分散)をVMware以外でも確保したい,と考えたのでした.

QNAPの設定WebUIにはこの辺りの設定があって,[システム管理]>[ネットワーク]にあるTCP/IPタブにある「ポートトランキング」から行います.
LANポート1と2をそれぞれトランキンググループに入れ,パス選択方式を「IEEE802.3ad」にすることでNAS側の設定は完了,です.
後はDHCPサーバにLAN1側のMACアドレスでIPアドレスを割り当てれば,LANポート1,2とも同一のIPアドレスとして動作します(パス選択はIEEE802.3adのLACPになります).
そう,設定自体は簡単なんですが,これ,NAS側だけの設定では終わりません.
実はIEEE802.3adをサポートするスイッチとその設定が必要,という話です.
もちろんパス選択の方式には一般的なスイッチ(要は普通に売ってる安いHUB)でも実現可能なものもあるんだけど,今後のステップアップ(特にスイッチ間接続でのLink Aggregation)を考えて,今回はIEEE802.3adに対応したスイッチを導入します.
といっても資金がそんなに潤沢にはないので,お安いNETGEARのGS724T-300JPSを導入しました.
これ,IEEE802.3adにも対応した安価なL2スイッチ(相当の機能を持つ物)らしいです.
安価なだけに,専用のマネージメントポートがなかったりしますが,まぁいいでしょう.
そもそも今サーバ用に使っているスイッチは,ただのHUBだし,8ポート全部埋まってるし,超熱いし,代替としてはいい選択かな,と.
ファンレスなので静かですが,廃熱に関して若干心配ではあります.
だけど,人間と共存することになるので,この辺りは人間側への配慮をした形です(笑)

さて,スイッチをネットワークにつないで起動させると,DHCPでIPアドレスを取得してくれるので,ブラウザでアクセスします.
IEEE802.3adの設定自体は,[Switching]>[LAG Configuration]から行います.
ここで,LACPで接続するポートのグループを作成(グループは初期状態作成されているので名前を変更)し,LAG typeにLACPを指定します.
使用するポートを[LAG Membership]から登録することで,Link Aggregationが機能し始めます.
あと,個人的にはまったのは,Ethernet Frameのサイズです.
デフォルトでは1518になっていたので,NASへのアクセスが上手くいかず(NAS側は9000になっていた)はまりました(笑)
なので,[Switching]>[Ports]から,LAGメンバのポートと,LAG自体のMaximum Frame Sizeに,それぞれ9216(最大値)を設定しておきました.
基本ですね(笑)
ちなみにこのスイッチはPort VLAN,Tag VLANにも対応していますが,この辺りはご家庭ネットワークなので設定していません(笑)

後はNASをLAGメンバのポートを使って接続すれば,後は勝手にリンクアップして単一IPアドレスを持ち,冗長パスを使えるNASになります.
この段階でNASのWebUIやサービスに接続できないようだと,どこか設定がおかしいってことですね.
ちまきもFrame Sizeではまっていたので,NASを通常の(LAGメンバになっていない)ポートに接続したりしてあれこれ設定をしたりしてました(笑)
WebUIくらいならFrame Sizeには影響受けてなかったのかしら?

さて,無事NASのサービスアクセスできるようになったら,今度はESXi側でパスの確認です(笑)
vSphere ClientからESXiに接続して[構成]>[ストレージアダプタ]からリスキャンをかけます.
iSCSIターゲットの動的検出を行っていれば,これでパスが見つかり,従来4パス(ESXitoスイッチ間×スイッチtoNAS間)だったものが,2パス(ESXitoスイッチ間のみ)に見えるようになるはずです.
[構成]>[ストレージ]にある当該パス上のDatastoreの[プロパティ]>[パスの管理]から確認できます.
ちなみに,ESXiのパス選択ポリシーもここから変更できます.
後はメンテナンスモードを終了して,VMが起動できれば無事完了です.

まぁなんというか,機材を買って導入しましたってだけの話なんだけど,設定が必要なスイッチを買うのが初めてだったので,新鮮だった(笑)
ハードウェア的な投資はこれで大体決着かな?って感じです.
まぁ,スイッチをもう1台欲しい,とかいろいろありはしますが(笑)
次回はDLNAサーバの構築なんかについて書いていきたい!(笑)
でもその前に引っ越しとかもあって大変かも?(汗)

投稿者 chimaki : 22:53 | トラックバック

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