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2014年01月31日

AAC

大方の予想通り,年明けのエントリーは適当です(笑)
本当なら,IPsecで拠点間VPNを構築する話を書こうと思っていたんですが,たまには違う話も書きたいので(笑)

年末年始,実はやっと魔法少女まどか☆マギカを(Blu-ray BOXを購入して)試聴し,盛大にはまり,帰省からもどって1/6に映画館で新編を見る,なんてことをしていたのでした(笑)
Kindleでも同作のコミカライズや,公式スピンオフなどを読みあさり,サントラも買い,なぜか既に持っていたCD群を発掘するなどなど,消費も加速していました.

で,この音回りを仕事中にも聴きたいなぁと思ったのでした.
というのも,研究所に戻ってから,実はヘルプの仕事をしており,事業所の評価室(サーバなんかの開発機を試験,調整するためのコンピュータ室みたいなもの)に缶詰になっているから.
というか,ヘルプなはずなのに,作業どころか検討などもずっと1人なので,音楽でも聴きながら作業したい,という話.
しかもこの評価室,当然ながら室内での飲食はできないし,そもそも大量の装置が轟音を上げる冷却ファンと共に稼働する環境なので,騒音がすごいのです.

当初は,FitEar Private 435なるカスタムイヤホンを使ってたんだけど,ちょっと問題が.
実は,事業部に勤めていた間,ほぼ使う機会がなかったのよね.
機会がなかったというより,仕事中に使っていられなかった(没入するような仕事の仕方ではなかった)関係で,2年程度使っておらず,その間に徐々に外耳道が狭まっていたみたい.
おかげで,毎日長時間カスタムイヤホンをつけているのが負担だったのです.

ただ,騒音は低減したい.

ということで,ノイズキャンセリングイヤホンの導入を検討してみました.
無論この類のものは環境音を集音するマイクのついたイヤホンと,騒音と逆位相の音を音楽などにミキシングすることのできるプレーヤーなどで構成されています.
ヘッドホンならaudio-technicaのノイズキャンセリングヘッドホンを持ってはいたんだけど,さすがに目立つので,イヤホンタイプが欲しい,という感じ.

あわせて検討したのが音源について.
現状iPod touch(現行機の第5世代)を使ってるんだけど,音楽データの移行をできる限りしたくない.
ただ,有線でノイズキャンセリングイヤホン(のアンプ部)と接続となるとさすがに(評価室で剥き身の基板とかをさわるので)邪魔過ぎる,と.
そうなるとBluetoothで音を飛ばすのが一番簡単なソリューションなんですが,過去の経験上Bluetooth=音が悪い(せっかくLossless音源なのにね),というイメージがあったので,長らく敬遠していたのでした.
でも何年も経ってるし,改善があるのではないか?と思い調べてみた,というところから話が収束する事になりました.

ここでちょっとBluetoothの音楽事情を復習してみます.
Bluetoothでは用途毎にProfileというスペックがあり,よくサポートされているのを見かけるのは,携帯電話の子機として使うためのHands-Free Profile(HFP)やHeadset Profile(HSP),キーボードを使うためのHuman Interface Device Profile(HID),テザリング用に見かけるDial-Up Network Profile(DUN)やPersonal Area Networking Profile(PAN)なんかですかね.
音楽や動画の音声を飛ばすのに使用されるのは,Advanced Audio Distribution Profile(A2DP)で,ちまきも過去いろいろ試してはいたんですが,いかんせん音が悪い.
この辺りを過去,現在を含めて調べてみると「Codecが良くないから」という原因が判明しました.
A2DPではSBC(SubBand Codec)なるCodecに対応必須のようで,多くの機器がこれのみに対応している,という状況なようです.
このSBC自体の圧縮率はかなり高いらしく,1/20程度まで圧縮されることもあるとか.
これでは音質が劣化するのも無理はないですが,A2DPとしてはSBC以外にもAAC,MP3やATRACが定義されているよう.
要はこれらの(普通のプレーヤで使われる)高音質Codecを使用できれば,音質を改善できるわけですね.

そしてこのSBC以外のCodecに対応した製品は2012年ごろから出始めているようです.
Codecの主流は,先ほどのAACとapt-X(こちらはスペックでは定義されていない独自のもの)で,それぞれiOSはAAC,Androidはapt-Xに対応する,という構図のようです.
ということで,AAC対応でノイズキャンセリング機能のついたBluetoothレシーバを探してみたのでした.

というか,こんな狭い条件のものがあるのか?って話なんですが,なんとありました(笑)
あろうことか,SONYのNW-M505です.
というか,そもそもこれはウォークマンです(笑)
なんですが,スマートフォンと連携することを売りとしており,容量が16GB限定だったり,一部機種とはNFC(いわゆるFelica)でペアリングできるなど,ちょっと毛色の違う製品です.
また,アンプ部もS-Master MXを積んでいるみたいなので,安いBluetoothレシーバ(ホワイトノイズなど問題が多い)よりは安心できそうです.
問題点があるとすれば,ウォークマン機能が要らない(=高い),FMラジオが要らない(感度もよくない),高音質化機能がBluetooth音源では反映できない,クリップが外付けな上に使いにくい,本体が一部アルミニウムなのはいいが,仕上げの関係で汚れやすく,また汚れが落としにくい,という辺り.
あと,ウォークマンとしても使いたい人にとっては,ギャップレス再生できない(他機種はできる),Bluetoothで音を発信できない(レシーバ専用機),容量が16GB一択になってしまう,(需要は不明だが)ハイレゾ音源に対応していない,ってあたりが許容できるかどうか,ですかね.
個人的にはさらに,(きっと需要は微妙だけど)ノイズキャンセリング対応の高音質イヤホンが欲しい,あんな変なクリップつけるくらいなら(本体にマイクがあるので)ヘッドセットっぽくつけることができるようなアダプタが欲しい,画面の上下がどう考えても逆,という感じ.
まぁでも,安いBluetoothレシーバよりは(Codec,出力段含め)音質が良く,ちゃんとHOLDボタンがあったりと予想外に作りがよく,満足しました(笑)
音質に関しては,予想よりいいと思いましたが,どのみち騒音のある環境でしか使わないので,多くの人は満足できると思います.

あ,画面の上下の件,わかりにくいと思うので,ちょっと補足しておきます.
付属イヤホンは胸ポケットにちょうどいいケーブル長なので,本体操作する時にちょっと長さが足りないわけです.
もう少し具体的に言うと,右側イヤホンのケーブルが長い(つまり胸ポケットは左前提)ので,操作する時は左側にケーブルが引っ張られる格好になります.
なので,本体のイヤホンジャックは左側に向けた方が操作はしやすいわけですね.
なんだけど,画面表示を上下正しく見ようとすると,イヤホンジャックが右側に向くのです.
この辺り,右手で操作しても左手で操作しても使いにくいなぁ,と感じました.

それから,Bluetooth機器としての接続について.
接続設定に音質重視か接続重視かって項目があって,これがAACを使う(必要帯域が大きくなるため切れやすくなる)か,SBCを使うかの選択になる模様.
ただ,このCodecの差による切断されやすさは,そこまで感じない気がします.
やっぱり切れるときは切れるし,Bluetooth機器をたくさん持ち歩く(iPhoneとiPadとiPod touchを同時に持ち歩く,など)と顕著な気がします.
また,電車などだと他の人のBluetooth機器と電波干渉があるのでは?と思うことも.
プロトコルとしてトレーニング機能があるかは知りませんが,しばらくすると改善したりするので,気にする人でなければ支障が出る程ではないと思います.
特筆して便利なのは,レシーバ側から接続機器を選択できる点.
今までさわったことのある機器だと(ディスプレイがないのためでしょうが)レシーバは最後につなぎに来た機器とつながってしまうので,いちいちプレーヤ側で操作する必要がありましたが,NW-M505はレシーバで選択できます.
iPhoneで通話orアプリの音声を聞いた後に,カバンの中のiPod touchに再接続して音楽を聴きたい,なんて時に地味に便利です.

所感としては,騒音環境下で使う機器としてはBluetoothの良さを実感させてくれる機器なので,値段が多少高くてもいい物が欲しい,と思う人にはいい選択肢だと思います.

といったところで,新年最初のエントリーは終わります(笑)
今年も一年がんばっていきまっしょいG(≧ω≦)。

投稿者 chimaki : 2014年01月31日 23:59

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